本を読む本
今回読んだ本はこちら。
エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5 つの原則」
社内で話題になっていたので読んでみました。
今回は珍しくビジネス書寄りの内容になります。
本書の主題
KPI や目標を定め、逆手で手段に落とし込んでいくコーゼーションに対し、現状の手札から行動を元に目標を定めていくエフェクチュエーション。
そのエフェクチュエーションの考え方を説いた入門書となります。
本書の構成
本書の構成は下記の通りです。
- エフェクチュエーションとは
- エフェクチュエーションの原則紹介
- エフェクチュエーション実践者の解説
エフェクチュエーション実践者の解説以前と以後では著者が変わります。
エフェクチュエーションの原則紹介では下記の原則を説いています。
- 手中の鳥の原則
- 許容可能な損失の原則
- レモネードの原則
- クレイジーキルトの原則
- 飛行機のパイロットの原則
感想
起業家や実業家に多い思考パターンとしてエフェクチュエーションを紹介していましたが、コーゼーションとエフェクチュエーションはどちらが良い悪いではなく、事象によってどちらを重視するかが変わるだけの関係です。
そのため、組織の成長段階によってはコーゼーションを選択することもあります。しかし、不確実性の高い状況では、事前の見通しがしにくいことからエフェクチュエーションを選択することが最適になりやすい印象でした。
平たく言ってしまうと、とりあえずやる。色々な人を巻き込んで、FB から学習していく。そんな印象を受けました。
下記に簡単に原則を記載します。
手中の鳥の原則
手中の鳥の原則は、今持っている手札から何ができるかを考えるといったものです。何が足りない、何を得るではなく、今の自分が出せるものを活用することでまずは行動に移すことが大切です。
また、自覚していないだけで他者にとって、自身の持っているものが価値のあるものの可能性もあります。
許容可能な損失の原則
従来のコーゼーションでは売上予測などの得られるものをベースに行動を定義します。
しかし、不確実性が高い環境では得られるもの自体が不確実です。そのため、最悪の事態に陥ったとして、どのくらいまでなら許容できるかを事前に考慮したうえで行動を行います。
レモネードの原則
行動を起こすということは、当然失敗も起こります。その中で仮に満足の行くものでなかったとしても、新たなる機会の拡張だと捉えることで、ネクストアクションを行うことが大切です。
クレイジーキルトの原則
コーゼーションにおいては、他社を当初の目的の競合や脅威にカテゴライズしてしまうこともあります。しかし、エフェクチュエーションにおいては、誰が何をもたらすかはわかりません。
そのため、様々なバックボーンを持った関係者が予想もしない関わり方で予想もしない展開を見せることがあります。
他社を巻き込み、推進していくことが大切です。
飛行機のパイロットの原則
不確実性の高い環境では、事前の予測が難しいため、エフェクチュエーションではコントロールすることを重視しています。
不足の事態が起こったとしても、適宜操縦桿を握り、進路を取ることで新たな機会への進んでいきます。
まとめ
何をするにおいても、他者と如何に関わっていくかが大切だと感じました。また、行動を起こすことの大切さも感じます。
以前、PHP カンファレンスで聞いて記憶に残っている一言「伸びる人は素直な人。そしてすぐやる人」を思い起こしました。
そのためには普段から、様々な人と関わっていくことが大切だと思います。